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寅さん大好き ―亡くなってしもうて  ―1996年8月12日

寅さん大好き

 

 ―亡くなってしもうて  ―1996812

     

どうせおいらはやくざな兄貴

わかっちゃいるんだ妹よ

いつかお前の喜ぶような

強い兄貴になりたくて

今日も涙の、今日も涙の日が落ちる

日が落ちる

僕「ねえ寅さん、死んでしまったんですか。せめて、”達者でな、あばよ”ってくれえのことは言ってもらいたかった。あまりにも突然で何とも…」

寅「すまん、すまん。断らないで死んじゃってね。少々疲れちゃってね。これも風の向きってことよ。勘弁してくれよ」

僕「ここ二十年来、寅さん映画を見ては“ほっ”だ。おかしくって。面白くて、暖かくて」

寅「無知で、愚か者で、馬鹿な僕をながくひいきしてくれてありがとうよ」

僕「とんでもない。ありがとういうのはこちらです。愚かな僕らに 相手を思う気持ちの大切さを教えてくれたのは寅さんですよ。おいちゃん、おばちゃん、ひろし、さくら、みつお、たこ社長、いつも喧嘩していたね。相手を思うあまりのけんかにいつも涙してました。ほんとにありがとう。」

寅「へへ・・・(もじもじ)」

僕(寅さんは常に相手の幸せを自分の幸福と考える立派な人なんですね。心が何時も開かれていて、そして無欲…)

寅「実は僕はキタナーイ人間なんだ。助平なんだ。ダメな男なんだ。」

僕「とんでもない。助べえなんだが、人の心を汚せない、キレイナ心を持っている、そこが何とも言えないね。だからみんなが人間として共感を持てるんですよ」

寅「それはエラーイ監督の山田洋次さんのおかげです。さいわい元気だからこれからももっと笑いを作ってくれると思いますよ。」

僕「寅さんはいつも旅してたくさんの人や川や海や山など自然と出会いましたね。であって、かかわって、見捨てておけなくて・・・。おかげで見えないものまで見えるようにしてくれました。そのことで、生きているっていいな、人間っていいなと思えるように勇気を与えてくれました。」

寅「兄さんうまいこと言いますね」

僕「葛飾柴又や旅先の名もなく目立たない口下手な人たちに心を寄せ、そんな人たちの内側に潜む素晴らしいものを見せてくれました。」

寅「おいちゃんの作った団子うまかったろう。げんちゃん、あいつはばかでね、・・・」

僕「どこでもだれとでも仲間になることができる。そんな心を持っているっていいなあ。体が自然にそうなっていくんですね。そんな思いにいつも引き込んでくれる寅さん、本当にありがとうございました。しばらく休んでください。」

 さて、あなたは渥美清の突然の逝去に何を思ったでしょうか。

 確かに”男はつらいよ”の画面は現実を超えた架空のものでした。しかし、あれほど私たちに共感を与えた世界はいったいなんだったのでしょう。監督の山田洋次が言うようにこういう寅さんのような人物は今日の競争社会では落ちこぼれの何物でもなかったでしょう。利益優先、物質優先の社会の中では見知らぬ人とのコミュニケーションはおろか、家族や近い人たちとの触れ合いの機会も少なくなり、よそよそしい社会がますます広がっています。この中から、子供のいじめや、自殺、不登校など、これまでの歴史になかったことが表面化しています。自然破壊や犯罪の増加など社会病理が広がりました。人間そのものが破壊されているわけです。

 しかし、そうした世の中だからこそ、助け合ったり、協力し合うことを望む人たちも一層増えてきています。寅さんへの共感はそんな社会背景があるといえましょう。

 コープはその目的を「ともに生きるくらし創り」にしています。努力方向として「ともに」をすべての価値にしようというわけです。

 寅さんも山田洋次も助け合いや笑いのコミュニケーションが多い社会を願って「男はつらいよ」を作ってきました。その動機は根っこのところでは私たちと同じではないでしょうか。山田洋次の「映画のつくり方」コープの「つくりかた」、つまり、仕事のつくり方はどっかで似ているのではないか。そんな思いで山田洋次の書かれたものを探してみました。ありました。

 以下の文章をいくつか紹介します。コープの今後の為に参考になればと思います。

     寅さんは何故新幹線に乗らない

    脇役の力

    労働者諸君

    いわさきちひろの絵に寄せて

これらの文章は映画作りの話ですから、仕事づくりとはおのずと違います。しかし、そのつくる思いは同じではないでしょうか。何か心に止まるものがあれば自分の属する職場や近しい人たちで語り合いませんか。きっと同じ思いが自分の心と仲間の中にあることを発見するはずです。

                          

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