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骨のある人たち   時代を前に

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繁栄は一炊の夢だった

『東海第二』廃炉を

 村上 達也さん  茨城県東海村長

 実は東海村の日本原子力発電所第二原発も、東京電力福島第一原発で起きた「善電源喪失」の寸前でした。地盤の影響で外部電源がすべてダウン、非常用発電機でポンプを動かして原子炉を冷却しましたが、一時間後に押し寄せた津波があと70センチ高ければ、海水は防波堤を乗り越えて、すべての冷却機器が失われていたかもしれません。

 2週間後にその事実を知り、背筋が凍る思いをしました。東海第二の場合、20キロ圏内には75万人、30キロ圏内には100万人の人が住んでおり、県庁所在地の水戸市も含まれます。細野剛志原発相に「選択肢として東海第二の廃炉ということも考えるべきではないか」と問題提起したのは、こうした事情があったからです。

 そもそも世界有数の地震大国の日本に、54基もの原子炉があること事態が以上です。しかも、東海第二のように人口密集地に原発を立地している国は世界でもあまり例がありません。

 「原発が無くなったら住民の雇用をどうするのか」「村の財政をどう維持するのか」という議論も村内にはあります。しかし、原発マネーは麻薬と同じです。原子炉を1基誘致すると固定資産税の交付金など10年間で数百億円の金が入る。その金がなくなると、また「原子炉を誘致せよ」という話になる。尋常ではありません。

 東海村の人口約3万7千人の3分の1は、日本原子力緊急開発機構を中心とする13の原子力事業所と何らかのかかわりを持っています。また原子力関係からの財源は一般会計の3分の1に当たる約60億円にのぼり、まさに「原子力の村」です。

 しかし、今後の世界は「脱原発依存」が主流となるでしょう。いつまでも原発マネーに頼って入られない。日本最初の「原子の火」がともった東海村は原子力と55年の歴史を共有し、原子力が文化として定着しています。これを同地域作りに生かすかが重要です。

 現在、村では原子力に関する科学・技術や人材を総合的に集積する「原子力センター構想」を策定中です。「脱原発」の場合も、廃炉の放射性廃棄物の処理、原発事故後の環境修復など様々な技術や人材が必要になります。そのための基礎研究、人材育成を担う構想です。世界屈指の大頻度陽子加速器敷設もあり、海外からも多くの研究者や、学生が訪れ、欧米の科学研究都市に匹敵する条件がある。持続性の高い発展が期待できます。

 福島のような事故が起これば何もかも失ってしまう。原発による繁栄は一炊の夢に過ぎません。目を覚まして、持続可能な地域経済をつくるべきです。(聞き手・山口

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