« | トップページ | 花で心でつながって  秋  団地の手づくりの花道    »

「冬の兵士」反戦イラク帰還兵証言集会   その2

その2

この資料は、証言の内容や背景をより深くわかっていただくために、事前にお二人に質問し原稿を書いてもらったものを和訳したものです。

 ※IVAWとは、Iraq Veterans Against the War=反戦イラク帰還兵の会のことです

(翻訳 安原桂子   10月5~13日東日本9都市リレー証言にさいして 事前に得たものたもの 2回に分けて企画者の了解を得てのせています。  )

私の立場は  当日感想を書いてくれた20歳の青年と同じです。

072

善悪は別にして、まずは真実を知るということが重要なのだと思いました。武力抑止力といったかたよりの思想が日本国内で今増加されつつありますが、真実を知らないまま、結論を出すことほどおろかなことはないと思います。日本のためを思うからこそ、まず真実を知る。そうして、世界の人たち、国内の人たちと連携して平和を求めていきたいと思います。(20代男性)

詳しくは 岩波書店刊  冬の兵士

◆ホゼ・バスケス(IVAW事務局長)

 陸軍予備兵として14年間服務する。IVAW事務局長として、証言集をまとめた一人であり、アメリカにおける証言集会の組織化に奔走している。

 

質問(1)そもそも「交戦規則」(岩波書店・冬の兵士の第1章に記述しているところ)とは?また、アメリカ軍における「交戦規則」とイラク占領後のその変化について。

ホゼ:交戦規定 ROE)とは、どこで、どのように武力を使うかを決めるルールです。我々のメンバーが「冬の兵士」の本の中で説明したように、イラクでの問題は多くの司令官と兵士たちが交戦ルールを正しく実行しなかったことです。 非武装の多くの民間人がチェックポイントや住宅地、また車を運転中に負傷し、死亡しました。中には、米兵が無差別射撃を行って、女性、子供、及び危害を加えそうにもない老人を負傷させ、死亡させたケースもありました。  

質問(2)アメリカはなぜ徴兵制をやめ、志願制にしたのか、「経済的徴兵制」と言われている実態。反戦ベトナム帰還兵の会とIVAWとの国民的影響力の違い、厳しい状況下でのアメリカ国内でのIVAWの闘いとその広がりは?

ホゼ(a) ベトナム戦争中、兵士たちの間で広範な戦争抵抗運動があり、徴兵された多くの人々が様々な形で抵抗運動を行い、作戦を妨害し、上官を殺害した。米国防総省と文民指導者たちは不人気な戦争に民間人を招集することには政治的困難があると悟り、同じような状況を回避するために、全員ボランティアで構成する軍への移行を決定した。   

(b)現在、米軍はボランティアを募集することの困難さに直面している。毎年、軍はテレビコマーシャル、ポスター広告、特注の勧誘宣伝カー、高価な軍隊経験のビデオゲームを含む募集キャンペーンに数百万ドルをかける。 多くの場合、経済的に貧しい都市区域と農村部に注目します。 そのため、これを「経済的徴兵」という人もいます。これについての 私の個人的な経験は、質疑応答の時に具体的に説明したいと思います。 

(c) 反戦ベトナム帰還兵の会 が設立された時の状況と現在、反戦イラク帰還兵の会 (以後IVAWとする)が活動している状況とは多くの点で違っています。 反戦ベトナム帰還兵の会は米国内で広がっていた大規模な反戦運動の一部であり、同じころ市民権運動、女性解放、同性愛者解放などの運動が盛んになった時でもありました。一般的には、米国の市民社会はより政治的に意識が高く、行動に結びついたと思います。最高潮の時には、反戦ベトナム帰還兵の会は2万人以上の会員がいました。IVAWは米国が非常に保守的な政治状況にあるときに始まりました。いわゆる「対テロ世界戦争」は9.11事件後、米国内でも国際社会でも広範に支持されていました。 ただし、米軍がイラクに侵攻すると、世論が変わり始めました。私達は地上戦の実態について国民に知らせることでそれを支援しました。 現在、会員は 2, 000人近くいます。 私たちにとって、インターネットで国際的な支援者たちに情報を広めることができることはメリットです。

()恐らく、私たちが直面する最大の闘いは、オバマ大統領の選出以後の政治情勢下で活動を続けることです。 多くの進歩的な組織は、オバマ政権が「戦争を終らせるだろう」を信じて、活動の焦点を移し始めたからです。しかし、私たちが見るところでは、オバマ政権は、5万人の軍隊とおそらく 10万人の私兵を地上で維持しています。 彼はまたアフガニスタンでの軍を拡大しています。 「冬の戦士」イベントで行ったように、IVAWとしては、私たちの物語を通じて真実を語ることと、軍人と最近の退役軍人に、戦争と占領への同意を撤回させることで大きな影響を与えることができると信じています。   

質問(3)そもそもブッシュのイラク侵略戦争に対する、ホゼ氏やIVAWの仲間の評価とブッシュを支持し協力した小泉内閣への評価、9条がありながら自衛隊を派兵した日本国民への批判。

ホゼ:個人的には、私は小泉内閣がブッシュ政権のイラク戦争を支援すると決めたとき非常に失望した。 ブッシュ政権は自分達の犯罪的な侵略を決定したことを言い訳するために多くの国の指導者たちを強制したり、賄賂を使ったりして有志連合に参加させたと私は考えています。第二次世界大戦後に学んだように、国際法では正当な戦争とは何か、どんな行動が許されているかについて明確に規定されている。その上日本は侵略戦争を放棄し、憲法第 9 条で平和への取り組みを成文化した。 IVAW はイラク戦争を侵略戦争と見ているので、この戦争に参加することで日本は自国の憲法に違反し、国際法にも違反したと考えます。 明らかに、米国も同罪です。日本の役割は、人道主義的な目的だけのためだと主張する人もいますが、援助物資と復興支援は軍や自衛軍を使わなくともできるのではないでしょうか。 

質問(4)オバマ大統領のイラク戦闘部隊の撤退への評価とアフガン戦争 への増派・継続への評価、その本質的特徴は何か。

ホゼ2009 年、IVAWはアフガニスタン戦争について次の事を要求し決議しました。 1) すべての占領軍の即時撤退、2)賠償、および 3) 現役兵士と退役軍人に対する完全な社会福祉の給付。 

オバマ政権が「イラクでの戦闘は終った」と発表したとき、彼らは商標変更というマーケティング戦術を使ったのです。 実際には、その発表の 2 週間も経たないうちにテキサス州フォート・フードの私たちの仲間と、インディアナ州の州兵たちはイラクとアフガニスタンに配備せよとの命令を受けました。 私たちはイラクに残っている 5万人の兵士はトレーナーやアドバイザーとしているのだと聞かされました。 しかし、実際には、彼らはパトロールを続けているし、民間人居住区域にいる爆弾武装勢力に対しては空爆を要請します。 これには、イラクで活動している軍事請負業者の抱える私兵は含まれていません。 イラク人の目から見れば、銃で武装し、自分の国を占領するアメリカ人の数は変わらないでしょう。 

質問(5)IVAWの今後の闘い、その展望と日本国民や世界の反戦平和を求める人びととの連帯について。

ホゼ:前向きに考えて、私はIVAW がイラクへの賠償と再建への努力にもっと関与すべきだと思っています。日本や他の国の人々、そして NGO の人々と共に、私たちは人道的努力が軍事兵器を必要としないことを世界に示す必要があります。 私たちは、RAWA(アフガニスタン女性革命協会)、WAW(アフガン女性のための女性)イラク労働組合などの組織と連絡をとり、協力関係を形成して賠償をスポンサーしています。来年1月には、Iraqi Health Now (今こそイラク人に健康を)と一緒に私たちの代表が医療品をバスラの人々に届けます。 米国は税金の 50 以上を軍事費に使っています。 私たちは国際社会の人々と共に、軍国主義の問題と取り組み、米国が国内そして世界中で人を傷つけよりは、援助する支出へと私たち国民の優先順位を修正するよう働きかけます。

質問(6)日本の憲法九条へ期待、沖縄の普天間基地問題、日米安保条約50年に対する日本の反戦平和勢力への期待と連帯に関して。

ホゼ:私たちはあなたがたが第 9 条の平和的な精神を維持するために闘いを続けてくださることを願っています。 決して日本政府に、米国が作り上げたモンスターと同じものをつくらせてはなりません。それは「軍事産業複合体」という巨大な怪物で私たち国民の資源の大半を食いつぶしています。

私たちはその国の人たちが欲しないとき、米国が軍事基地を海外に維持することに反対します。沖縄の人たちは軍事基地があることでもう十分に苦しんできました。飛び交う軍用機や強姦などの犯罪増加のために治安悪化の状況に耐えてきました。 

最近、日本から大規模な代表団がニューヨークを訪問し、国連のNPT (不拡散条約) アクションに参加しました。私たちはこのような草の根反戦・平和組織間の国際協力を心から歓迎します。 IVAW は日本の平和を愛するグループと連帯し、イラク戦争とアフガニスタン戦争に終止符を打つだけでなく、将来の戦争を防ぐためにがんばります。

|

« | トップページ | 花で心でつながって  秋  団地の手づくりの花道    »

4この世界のこと」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1022904/37385355

この記事へのトラックバック一覧です: 「冬の兵士」反戦イラク帰還兵証言集会   その2:

« | トップページ | 花で心でつながって  秋  団地の手づくりの花道    »